オランダのNational Tulip Day(以下NTDと表記)をご存じでしょうか。
毎年1月の第3土曜日に、チューリップの季節のはじまりを祝う日だそうです。
この日を境にオランダではチューリップのシーズンが正式に始まるとのこと。
今年のNTDは1月20日土曜日にアムステルダムのミュージアム広場で祝われました。
NTDのイベントでは、なんと誰でも無料で20本までチューリップを摘むことができるとのこと!
待ち時間は1時間程度との情報でしたので早速出かけてみました。
NTD会場とチューリップバック
先日降った雪も残る中でしたが、大勢の方が集まっており大行列でした。
しかも、あいかわらずノーケアなオランダの行列。どこがはじまりかも曖昧で、違う行列に並んでいた人たちが平気で割り込む状態ですが、トラブルはありません。
1時間ほど並び、ゲート入口でスタッフの方からNTD用のチューリップバック(紙袋)をもらって入場します。
このチューリップバックは生分解性のバックで、20本のチューリップがちょうど入る大きさです。
好きな色や形のチューリップを摘んで、自分だけのブーケがつくれるようになっています。
チューリップ摘み
ゲートから入ると、まるでそこにチューリップ畑が広がっているかのように、色とりどりのたくさんのチューリップがきれいに並んでいました。
好みのチューリップを摘んでいる来場客は、みんなとっても嬉しそう。
私も早速、好きな色のチューリップを探してチューリップ摘みスタートです。
チューリップはコンテナに球根がついたまま並べられており、チューリップの茎をつまんで球根ごと引き抜いてバックに入れます。
とっても簡単で、何よりチューリップが可愛くて楽しい!どんどん好みのチューリップを探してバックに入れてゆきます。
ここで問題発生!
チューリップは種類によって球根の大きさや茎の長さが異なるため、上手に計算してバックに入れないとキレイなブーケはつくれません。
私は何も考えていなかったのでバックがかさばるばかりか、生分解性のチューリップバックは球根についた水で今にも破れそうな状態に。
バックの底を守ろうと手を沿えれば、冷たい風も吹く中、手は氷のよう。来場者の方を見回すと同じように苦戦している方もちらほら。
上手にブーケを作られている方とのセンスの差は歴然でした。
五感で感じる
チューリップの見ごろは4月ごろですので、本格的なシーズンまでかなりあります。
ですから、寒くて暗く、雨どころか雹まで頻繁に降るこの時期のオランダでチューリップがみられるなんて、言いようのない幸せでした。
コーチングの手法に、「五感で感じる」という手法があります。
誰しも、心が疲れたり、やる気がなかったり、気持ちが落ちみがちだったりする時期ってありますよね。
そういう時、ゆっくり休むことも大切ですが、何か自分自身で気持ちを上げられる方法をもっておくのも大切です。
やわらかいものを触ったり、好きな香りを身につけたり、やすらぐ音楽を聴いたり、大好きなスイーツを食べたり、チューリップを見たり。
オランダの冬は日照時間が短く、日光を浴びるチャンスが少ないため、気分の落ち込みがある人が多いとききます。
ですからオランダに住む方々は意識してサプリなどでビタミンDを摂取するようにしています。
もしかしたらこの時期にチューリップ摘みのイベントが開かれるのは、そんなことを意識していたりして。
チューリップには気持ちを盛り上げてくれる力がありますから。
これからお花屋さんにはたくさんのチューリップが並ぶことでしょう。
心がやすらぎをもとめているときには、ぜひチューリップを手に取って五感で感じてみてください。
ちなみに・・・
オランダが誇るチューリップのシーズン到来を祝う日ですから、さぞかしオランダのお花屋さん業界では大切な日なのだろうと、前日に近所のお花屋さんで「明日はNTDなんですってね?」と聞くと、「え?そうなの?知らなかった」との反応。
「NTDはすごく良い日なんだよ!!僕は明日だって知らなかったけどね」とのことでした。